26:45


  僕はある飲食店でアルバイトをしています。いわゆる深夜シフトで、夜の10時頃に入店して閉店時間まで調理や接客をし、閉店後は洗い物や清掃、翌日のための仕込みをするといった感じです。大抵の場合は終電に何とか間に合うくらいの時間に店締めを終わらせることができるのですが、間に合わなければ家まで徒歩で帰らなければいけません。毎回、入店した瞬間からこのギリギリの勝負に勝つことだけを考えて仕事を効率よく進めようとしているので、閉店前でも、お客さんの来ない時間があればどんどん清掃や片付けをします。


   題名が何を指しているか、察しがついた人もいるかと思います。
数ヶ月前のある日、いつも通り入店して清掃を始めようとしました。ところが、日曜の練習試合後で疲れていたこの日に限ってなぜかお客さんが途切れず(もちろん良いことだけど)、閉店まで全く清掃ができませんでした。さらに、洗い物と廃棄する食品が普段よりかなり多くて、たまたまこの日の深夜シフトは自分1人だけでした。結果、退店時に記入した時刻が26:45だったというわけです。


   めちゃめちゃ萎えて家までゆっくり歩いていたところ、意外なことに気づきました。結構人がいるんです。夜中の3時なのに。閉店後のラーメン屋や24時間営業のコンビニにはさっきまで自分がやっていたような仕事を黙々とこなす店員、路上には食品搬入の車両から店内に荷物を運ぶおじさん、大通りには運輸会社のトラックや救急車が走り、交番には酔っ払いを介抱する警官たちがいます。普段は昼間の街の姿しか知りませんが、こうやってみると知らないところで多くの人が僕たちの日常生活を支えてくれていることに気付かされます。


   ア式部員の日常の多くを占めるサッカーに関しても同じで、たくさんの人が知らないところで支えてくれていることはちょっと考えればわかることです。だから常に感謝の気持ちを忘れずに、、、、、、

というのももちろん大事なことですが、これで終わらせたらさすがにありきたりすぎるので、もう少し違う視点で書いてみたいと思います。


   上に挙げたような話のほかにも、身近にあるのに意外とわからない、的なものってあるでしょうか?
おそらくいくつか挙げられると思いますが、その中でも「他人の心」は最初に考えられそうです。
少し違うのは、この場合は先ほどの例のようにちょっと考えてみてばわかるよね、というわけではないということです。
そう考えると、新主将の中沖さんが合宿のミーティングで大切にしたいと言っていた「信頼」というのはすごく難しいものに思えてきます。普段見えもしないし考えたところでなかなか理解できない他人の心を信頼し、そして信頼してもらう。これってすごく大変なことです。


   では、サッカーをしているとき、特に試合中はどうでしょうか。
普段から有言実行タイプのS屋君や的確なツッコミで名を馳せるY本君はもちろん、普段は気まぐれなJ後君やO池君でさえも、味方となれば僕は信頼して裏に走ったりボールを預けたりできます
うまく言えませんが、プレーしているときのこの感じってすごくいいなと思います。これだからサッカーは楽しいんだなと最近思うようになりました。まずは選手としてもっと仲間に信頼してもらえるようになりたいですね。
育成チームには上の4人と僕、ここにAチームの選手とスタッフを合わせて、2年生は現在13人です。この1年半で辞めてしまったこれとほぼ同数の仲間も一緒にそういう関係を築けていけたら、もっと楽しかったかもなと思うこともあります。


   でも、今僕たちに求められているのは、まず何が何でも東京都1部に昇格することです。今いる部員がピッチの内外問わず信頼し合えるようになるためにもリーグ戦を戦うメンバーから一番遠い位置にいる自分も気持ちは同じ方向に向け続けます。もちろん僕自身も上を目指します。

都リーグもサタデーも、頑張っていきましょう!










一番早かった退店時間は23:45

2年 森

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